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LatestArticles: バーチャルヒューマノイドの開発(3)

画期的なアイディアを思いついた自負はあったものの研究室の既存のプロジェクトとはかけ離れた内容と言わざるを得ない。このため、新しく研究テーマとして立ち上げたいと教授に相談することはできず、平日は大学助手として日常業務をこなしつつ週末を独自の調査研究にあてることにした。

当時東北大学にはVR研を名乗る研究室は無く、図書館にもVR関連の論文誌や専門書はほとんど無かったため文献調査は難航した。それでも調べていくうちに、自分が目をつけたのは90年代の後半から活発になった複合現実感と呼ばれる研究分野であることがわかった。新しい分野なのでまだ専門書も少なかったため、誰も目をつけていないことに目をつけたような錯覚に陥っていたかもしれない。全体構想を描いて特許に落とし込む作業を始めたときになって、日本で最も標準的なVRの教科書がようやく手に入った。その口絵の写真を見たときに受けた衝撃は忘れることができない。

それは、ホンダP2のプラモデルに人間の映像を合成した写真だった。同じシリーズの教科書には、介護用マニピュレータに顔と体があるロボットの姿を合成する研究も紹介されていた。上には上がいる。先駆者の存在に目の前が真っ暗になったが、こららの研究がVR研究のメインストリームとなっていないことは明らかだった。

研究者というのは研究が商品化される際のビジネスモデルにはあまり関心がない。おそらく、この研究に数千億円のコンテンツビジネスの可能性を見ている人間は自分以外に世の中に存在しないだろう。錯覚でも良い、これが産業として立ち上がる可能性に賭けよう。しかしながら技術特許としての可能性は消えてしまったため、全体構想がビジネスモデル特許にならないか、まずは弁理士に相談してみることにした。

バーチャルヒューマノイドの開発(4)?に続く

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最終更新時刻2007 年 09 月 03 日,08:51 PM